◆◆ いか ◆◆



頭足綱十碗形上目。

タウリンや亜鉛を多く含み、コレステロールを下げる働きがあると言われています。

日本人は大変なイカ好きで、最近でこそ30万トン前後の漁獲量ですが、 多い時(平成元年)には77万トン以上の

イカを水揚げしています。 これは一人当たり約6.26sのイカを消費した事になりますが、 加工品や人間の口に

入らない物等もあるでしょうから実際にはそんなには食べてないんじゃないかと・・・。



 ◇◇ スルメイカ ◇◇


日本で水揚げされるイカの約8割を占める。

値段も手ごろで、塩辛・さきいか等にも加工されている。

一般的にアタリメといえばこれを干した物を指す。

ワタ(肝臓)が大きく立派で、新鮮な物ではワタを刺身で

食べるのもオツなものである。(日本酒が最高!!)

寿命は約1年だとされているが、地域によって冬・秋・夏と繁殖があるそうで

ほぼ一年中新鮮な物が出回ります。

しかし時々入荷が無く、全く河岸にも見当たらない事がある。謎だ。


スルメイカ
スルメイカ

 ◇◇ ヤリイカ ◇◇



全体的にほっそりとしていて、まさに「槍」。

「ササイカ」「さやなが」「尺八」の地方名がある。

スルメイカよりも回遊域が狭く、陸に近いところに生息しています。

ヤリイカの寿命も一年。春から初夏にかけて産卵すると死んでしまいます。

身は透明感があり、歯応えと上品な味が絶品。大きな物は以外と高級品です。

また、ヤリイカを干した物を「笹ずるめ」といいます。



ヤリイカ
胴長約35p ヤリイカ

 ◇◇ ダルマイカ(ケンサキイカ) ◇◇



河岸でも当店でも「ダルマ」と呼んでいますが、正式名は「ケンサキイカ」。

実際のダルマイカは、ツツイカ目開眼亜目ダルマイカ科の『ダルマイカ』

なのですが、何故ケンサキイカが「ダルマ」 と呼ばれるのかは分かりません。

また、秋・冬の少しずんぐりしたケンサキイカは場所によっては「ブドウイカ」

と呼ばれます。

ヤリイカに似るがヤリイカも太く、「槍」に対して「剣の先」という感じか。

ヤリイカより身が厚く、味も濃厚。

中国ではケンサキイカで造ったアタリメ(剣先するめ)が好まれるそうです。



ケンサキイカ
ケンサキイカ

 ◇◇ コウイカ(スミイカ) ◇◇



コウラを持っているので「甲イカ」。スミイカ・マイカとも呼ばれる。

実際はコウラではなく、貝殻を持っていた祖先(アンモナイト・べレムナイト)の

名残で、 浮き袋の様に浮力を調整する役割をしています。

身は厚めで適度な歯ざわりがあり、味も濃厚。

しかし一度冷凍にしてしまうと歯応えが無くなり、ねっとりした感じになってしまう。

「コウイカは嫌いだ。」と言う人は、この歯応えの無さが嫌なのだそうだが、

中には「この柔らかさがいい。」という人もいるんですよね。



コウイカ
コウイカ

 ◇◇ カミナリイカ(モンゴウイカ) ◇◇



肉厚で大型の甲イカ。体にある特徴的な紋様から

モン(紋)ゴウ(甲)イカとも呼ばれる。

旬は春から初夏にかけてで、房総半島以南で捕獲されます。

独特の紋様から地方によっては「マルイチ」と呼ばれることも。

わりと高級なイカなんですが、冷凍物の「もんごういか」と

混同されている不幸なイカです。

実際の冷凍モンゴウは「ヨーロッパコウイカ」等の輸入物が

大半です。 前述の通り肉厚で、旨味・甘味共に濃厚。





カミナリイカ
カミナリイカ




からすとんび
からすとんび
左・からす 右・とんび
イカの口の部分(口球)を干した物が

海辺の土産物屋で売っていたりします。

あたりめとは違った味わいでなかなかの珍味ですが、

中に黒くて硬い物が入っていますね。

それがいわゆる『からすとんび』といわれるイカの顎板で、

キチン質で構成されています。

このキチン質の顎板は非常に消化されにくいので、イカ類を多く食するマッコウクジラの体内から

結石として発見される事があります。

この結石は「龍涎香」と呼ばれ、以前は同じ重さの金と取引されるほどの 高価な香料でした。

因みに、この香料が取れることから「抹香鯨(マッコウクジラ)」の名がつきました。



ところで、イカの足の数は「8本+触腕2本」だって知ってました?




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