◆◆ 一番海苔とは? ◆◆




まずは海苔の養殖についてお話しましょう。

海苔の養殖は江戸時代から行われていたのですが、

その頃の養殖というのは 海苔の胞子が流れてきそうな

場所に海苔ひび(木の枝や細竹を束ねた物)を立て、

胞子の付着を待つという殆ど経験や運に頼った物

だったそうです。

昭和24年に英国のキャスリーン・メアリー・ドゥルー・

ベーカー女史によって 海苔の糸状体が牡蠣等の

貝殻内で成長、秋に胞子を放出する事を発見され、

これによって安定した海苔の養殖が可能になりました。

熊本県宇土市住吉町の有明海が一望できる丘の上には、

ドゥルー女史の功績を称えた顕彰碑が建っています。

品川海苔
奥の海の中に見えるのが”海苔ひび”

江戸自慢三十六興 品川海苔
歌川広重(二代)、歌川豊国(三代)画 
元治元年(1864) 国立国会図書館所蔵


春に果胞子(又はフリー糸状体)を牡蠣殻に植え付け、夏〜秋と栄養不足や病気にならないよう

管理しながら海水中で糸状体を育成させます。 秋になって水温が下がり始めると、

牡蠣殻から”殼胞子”が放出されので、それを海苔網に付着させます(採苗)。


海苔のライフサイクル
『海苔JAPAN』 http://www.nori-japan.com より転載

一旦海苔網を乾燥させ(海苔の芽を強くし、雑藻を取り除く為)一部を海で育成、

残りは大型冷凍庫に搬入して休眠させます。

さて、ここからが本題。この、海苔網で成長した海苔の葉状体を収穫する訳ですが、

第一回目に採取した海苔が『一番海苔』 になるのです。葉状体を採取した後も育成が続けられ、

一枚の海苔網から2〜3回収穫することが出来ます。 収穫を終えた網は冷凍休眠させた海苔網に

張り替えられ、同じように育成・収穫が繰り返されます。

つまり『一番海苔』というのは、年に数回収穫されるという訳です。


それにしても、何故イギリス人女性によって海苔の生態が解明されたのかが不思議です。

古くからイギリスのウェールズ南部地方で『Laver』という海苔の一種をペースト状にした物を

食用にしていたそうですが、そのLaverという海苔はあくまでも珍味の一種で、

ランカシャー生まれの女史が知っていたのかは謎だ・・・。




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