まずは海苔の養殖についてお話しましょう。 海苔の養殖は江戸時代から行われていたのですが、 その頃の養殖というのは 海苔の胞子が流れてきそうな 場所に海苔ひび(木の枝や細竹を束ねた物)を立て、 胞子の付着を待つという殆ど経験や運に頼った物 だったそうです。
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江戸自慢三十六興 品川海苔 歌川広重(二代)、歌川豊国(三代)画 元治元年(1864) 国立国会図書館所蔵 |
春に果胞子(又はフリー糸状体)を牡蠣殻に植え付け、夏〜秋と栄養不足や病気にならないよう 管理しながら海水中で糸状体を育成させます。 秋になって水温が下がり始めると、 牡蠣殻から”殼胞子”が放出されので、それを海苔網に付着させます(採苗)。 一旦海苔網を乾燥させ(海苔の芽を強くし、雑藻を取り除く為)一部を海で育成、 さて、ここからが本題。この、海苔網で成長した海苔の葉状体を収穫する訳ですが、 一枚の海苔網から2〜3回収穫することが出来ます。 収穫を終えた網は冷凍休眠させた海苔網に 張り替えられ、同じように育成・収穫が繰り返されます。 つまり『一番海苔』というのは、年に数回収穫されるという訳です。
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